22回生 M.S. 1986/9

  部落研のSです。ぼくは鈴木先生、深沢先生、河村先生らと3年間付き合ってきたんですけど、その付き合いの中で、この市芦に来る連中は、どんな力を持っているんだろうか、どういうふうにしたら当り前にやりながら市芦の生徒になれるんかということを話してきました。時にはケンカをして考えてきたんですけど、まだよう分からんとこあります。でも、市芦の生徒は本当に人間として当り前に生きていると、そういう気がすごくするわけです。
 僕は中学の時から見てきたんです。市芦に来ている者は貧乏人や、ダボヤと、生きる資格が無いんやと、学校の勉強が出来たらえらいんやと言うわけです。そう言う奴らを見ていたら本当に胸くそが悪いです。何でかいうたら、自分の気持、苦しみやそういうものを人間同士が一緒に創っていくもんやと、それが分かって本当に偉いんやと僕は思っています。
 そんなこと思いながら三年間やっていく中で何を学んだかいうたら、落ち着いて、悪いところばっかり見ずに、本当に落ちついて真底いいところを見つけていく、自分がどこが悪かったんだろうか、どこが良かったんだろうかということを、今年で4年目になるけれど、やっといま自分の気持に正直に学校に来て思っている。
 この市芦を、もっと学力の低い子も、人間を信じられなくなっている中学生も多くいると思いますが、そういう子らのためにも、僕らが先頭に立ってこの市芦を守り、これに圧力をかけてくる者にはあらゆる面で抵抗していきたいと思います。絶対やらないかんと思います。